月例経済報告 令和8年(2026年)9月 公共投資・貿易収支・生産の最新動向

月例経済報告 令和8年(2026年)9月 公共投資・貿易収支・生産の最新動向

令和8年9月の月例経済報告では、景気の基調判断は前月から据え置かれ、「景気は緩やかに回復しているが、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある」とされました。
個人消費や設備投資、雇用情勢など主要項目の評価に大きな変化は見られませんでしたが、公共投資、貿易・サービス収支、生産の3項目では表現の見直しが行われています。
これらの変化は、日本経済の足元の状況や今後の方向性を読み解くうえで重要なポイントです。

本記事では、令和8年8月と9月の月例経済報告を比較しながら、評価が変更された項目を中心に、その背景や意味を分かりやすく解説します。

この記事を読んで分かること

  • 令和8年9月の景気判断に大きな変更はない
  • 公共投資は堅調から底堅いへ変化
  • 貿易・サービス収支は赤字圏へ移行
  • 生産は横ばいから持ち直しへ改善
  • 輸出や設備投資は回復基調を維持
  • 中東情勢や自然災害リスクには引き続き注意
解説

1.令和8年9月分について

令和8年9月と比較のために、令和8年8月も以下掲載します。

令和8年8月令和8年9月
基調判断景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある。景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある。
個人消費持ち直しの動きがみられる。持ち直しの動きがみられる。
設備投資持ち直している持ち直している
住宅建設総じて横ばいとなっている総じて横ばいとなっている
公共投資堅調に推移している底堅く推移している
輸出持ち直しの動きがみられる持ち直しの動きがみられる
輸入おおむね横ばいとなっているおおむね横ばいとなっている
貿易・サービス収支おおむね均衡している赤字となっている
生産横ばいとなっている総じてみれば持ち直しの動きがみられる
企業収益改善しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある改善しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある
業況判断おおむね横ばいとなっている。ただし、先行きについてはやや慎重な見方となっており、中東情勢の影響を注視する必要がある。おおむね横ばいとなっている。ただし、先行きについてはやや慎重な見方となっており、中東情勢の影響を注視する必要がある。
倒産件数おおむね横ばいとなっているおおむね横ばいとなっている
雇用情勢改善の動きがみられる改善の動きがみられる
国内企業物価このところ上昇テンポが鈍化しているこのところ上昇テンポが鈍化している
消費者物価緩やかに上昇している緩やかに上昇している
月例経済報告 令和8年8月、令和8年9月の比較。
公共投資、貿易・サービス収支、生産の表記に変化がある。

今月は、公共投資、貿易・サービス収支、生産の3項目に変化がありました。
先月は4項目でしたので、1項目減りましたが、変動の多い月と言えそうです。
以下、記述に変化のありました公共投資、貿易・サービス収支、生産について詳しくみていきます。

徹底解説

2.公共投資

(1)令和8年8月と令和8年9月の比較

令和8年(2026年)8月と令和8年(2026年)9月の詳細を、以下記載します。

令和8年8月令和8年9月
公共投資は、堅調に推移している。

6月の公共工事出来高は前月比1.5%減、7月の公共工事請負金額は同1.0%減、6月の公共工事受注額は同19.3%増となった。

公共投資の関連予算をみると、公共事業関係費は、国の令和7年度一般会計予算では、補正予算において約2.5 兆円の追加額を計上しており、補正後は前年度比2.3%増となっている。

また、令和8 年度一般会計予算の公共事業関係費は、前年度当初予算比0.4%増となっている。

さらに、令和8年度地方財政計画では、投資的経費のうち地方単独事業費について、前年度比6.3%増となっている。

先行きについても、堅調に推移していくことが見込まれる。
公共投資は、底堅く推移している。

7月の公共工事出来高は前月比0.0%減、8月の公共工事請負金額は同 3.9%減、7月の公共工事受注額は同18.0%減となった。

公共投資の関連予算をみると、公共事業関係費は、国の令和7年度一般会計予算では、補正予算において約 2.5 兆円の追加額を計上しており、補正後は前年度比2.3%増となっている。

また、令和8年度一般会計予算の公共事業関係費は、前年度当初予算比0.4%増となっている。

さらに、令和8年度地方財政計画では、投資的経費のうち地方単独事業費について、前年度比6.3%増となっている。

先行きについても、底堅く推移していくことが見込まれる。
令和8年8月・令和8年9月の公共投資を比較:公共投資は堅調さを維持する一方、足元ではやや減速感も見られる

(2)解説

  • 公共投資は8月「堅調」、9月「底堅い」と評価された
  • 工事出来高は横ばい圏へ推移
  • 請負金額は減少幅が拡大
  • 受注額は増加から減少へ転換
  • 予算面の支援は引き続き充実
  • 先行きは底堅い推移が見込まれる

①「堅調」から「底堅い」へ評価が変化

令和8年8月の月例経済報告では、公共投資について「堅調に推移している」と評価されていました。一方、令和8年9月の報告では「底堅く推移している」と表現が変更されています。

どちらも前向きな評価ですが、ニュアンスには違いがあります。

表現意味
堅調安定的に増加または良好な状態
底堅い弱含み要素はあるが大きく崩れていない状態

つまり、9月時点では公共投資全体は引き続き高い水準を維持しているものの、一部の指標では勢いの鈍化が見られ始めたことがうかがえます。

②主要指標の比較

まずは公共投資関連の主要指標を比較してみましょう。

指標8月報告9月報告評価
公共工事出来高▲1.5%▲0.0%改善
公共工事請負金額▲1.0%▲3.9%悪化
公共工事受注額+19.3%▲18.0%大幅悪化

※前月比

③公共工事出来高は改善

実際に工事として施工された金額を示す「公共工事出来高」は、8月報告では前月比1.5%減でしたが、9月報告ではほぼ横ばいとなりました。

これは既に発注済みの工事が着実に消化されていることを示しており、建設現場の稼働状況は比較的安定していると考えられます。

④請負金額は減少幅が拡大

一方で、将来の工事につながる「公共工事請負金額」は、

  • 8月報告:▲1.0%
  • 9月報告:▲3.9%

となり、減少幅が拡大しました。

請負金額は先行指標として見られるため、新規発注の勢いがやや弱まっている可能性があります。

⑤受注額は増加から減少へ転換

最も注目されるのが公共工事受注額です。

  • 8月報告:+19.3%
  • 9月報告:▲18.0%

と大きく変化しました。

受注額は建設会社が新たに獲得した仕事の規模を示す指標です。前月の大幅増加から一転して減少となったため、今後の公共工事の伸びにやや不透明感が出てきたといえます。

ただし、公共投資は月ごとの大型案件によって数値が大きく変動するため、この結果だけでトレンド転換と判断するのは早計でしょう。

⑥予算面は引き続き追い風

足元の受注状況に弱さが見られる一方で、公共投資を下支えする予算環境に変化はありません。

国の予算

内容増減率
令和7年度補正後公共事業関係費前年度比+2.3%
令和8年度公共事業関係費当初予算比+0.4%

令和7年度補正予算では約2.5兆円の追加措置が講じられており、防災・減災やインフラ整備への予算が継続されています。

地方財政計画

内容増減率
地方単独事業費前年度比+6.3%

地方自治体による独自のインフラ整備や公共施設更新への投資も拡大しており、地方経済を支える重要な役割を果たしています。

⑥今後の見通し

8月、9月ともに政府は先行きについて、

  • 「堅調に推移していくことが見込まれる」
  • 「底堅く推移していくことが見込まれる」

と前向きな見通しを維持しています。

確かに足元では、

  • 請負金額の減少
  • 受注額の落ち込み

といったやや気になる動きも見られます。

しかし、

  • 国の補正予算
  • 令和8年度当初予算
  • 地方単独事業の拡大

という強力な予算面の支援が継続しているため、公共投資全体が急速に失速する可能性は高くないと考えられます。

また、近年は老朽化インフラ対策、防災・減災、国土強靱化関連事業の重要性が高まっており、中長期的にも一定の公共投資需要が見込まれます。

⑦まとめ

令和8年9月の公共投資は、8月と比較すると受注額や請負金額に弱さが見られ、「堅調」から「底堅い」へと評価が変化しました。特に公共工事受注額は大幅なプラスからマイナスへ転じており、短期的には勢いの鈍化が確認できます。

しかしその一方で、実際の工事出来高は横ばいを維持しており、国・地方ともに公共投資関連予算は拡充された状態が続いています。こうしたことから、公共投資は足元でやや調整局面に入っているものの、基調としては依然として高い水準を維持していると評価できます。

今後は、新規受注の回復状況や地方公共団体による事業執行の進捗が注目点となります。現時点では、公共投資は日本経済を下支えする重要な要因として、引き続き底堅い推移が期待される状況にあるといえるでしょう。

公共投資

3.貿易・サービス収支

(1)令和8年8月と令和8年9月の比較

令和8年(2026年)8月と令和8年(2026年)9月の詳細を、以下記載します。

令和8年8月令和8年9月
貿易・サービス収支は、おおむね均衡している。

6月の貿易収支は、輸入金額が増加し、輸出金額が減少したことから、赤字に転じた。


また、サービス収支は、赤字幅が拡大した。
貿易・サービス収支は、赤字となっている。

7月の貿易収支は、輸出金額の増加が、輸入金額の増加を上回ったことから、赤字幅が縮小した。

また、サービス収支は、赤字幅が縮小した。
令和8年8月・令和8年9月の貿易・サービス収支を比較:貿易・サービス収支は改善したが、なお赤字圏で推移

(2)解説

  • 8月は貿易・サービス収支がおおむね均衡
  • 9月は赤字へと評価が変更
  • 貿易収支の赤字幅は縮小
  • 輸出の伸びが輸入を上回った
  • サービス収支も赤字幅が縮小
  • 全体として改善傾向だが赤字は継続

①「おおむね均衡」から「赤字」へ評価が変化

令和8年8月と9月の月例経済報告を比較すると、貿易・サービス収支に対する政府の評価は変化しています。

月政府の評価
8月おおむね均衡している
9月赤字となっている

一見すると9月の方が悪化したように見えますが、個別の内容を見ると必ずしもそうとは言えません。

実際には、貿易収支とサービス収支の双方で改善の兆しが見られており、全体像を丁寧に読み解くことが重要です。

②貿易収支は改善方向へ

まず貿易収支の動きを確認してみましょう。

8月報告の状況

6月の貿易収支は赤字に転じました。

その理由は、

  • 輸入金額が増加
  • 輸出金額が減少

という組み合わせによるものです。

輸入増加は国内需要の回復を示す面もありますが、輸出減少と重なると貿易収支にとってはマイナス要因となります。

9月報告の状況

7月の貿易収支は依然として赤字でしたが、その赤字幅は縮小しました。

背景としては、

  • 輸出金額が増加
  • 輸入金額も増加
  • ただし輸出の伸びが輸入を上回った

ことが挙げられます。

つまり、日本企業の海外向け販売が回復し、貿易収支が改善方向へ向かっていることが読み取れます。

③貿易収支の比較

項目8月報告9月報告
輸出減少増加
輸入増加増加
貿易収支赤字に転換赤字幅縮小
評価悪化改善

9月は依然として赤字ではあるものの、内容としては8月より前向きな結果となっています。

④サービス収支も改善

サービス収支についても変化が見られます。

8月報告

サービス収支は、

「赤字幅が拡大した」

とされています。

サービス収支には、

  • 海外旅行
  • 運輸
  • 知的財産権使用料
  • 各種ビジネスサービス

などが含まれています。

赤字幅が拡大したということは、日本から海外への支払いが増えたことを意味します。

9月報告

一方で9月報告では、

「赤字幅が縮小した」

とされています。

これはサービス取引全体の収支が改善し、海外との取引バランスが良くなったことを示しています。

⑤サービス収支の比較

項目8月報告9月報告
サービス収支赤字幅拡大赤字幅縮小
方向性悪化改善

サービス収支は日本の国際収支において近年重要性が高まっています。

特にインバウンド需要や企業の海外事業展開などが収支に影響を与えるため、今後も注目したい指標です。

⑥なぜ全体評価は「赤字」なのか

興味深いのは、貿易収支もサービス収支も改善しているにもかかわらず、9月の総合評価は「赤字となっている」とされた点です。

これは改善したとはいえ、

  • 貿易収支はまだ赤字
  • サービス収支もまだ赤字

という状況にあるためです。

言い換えれば、

「悪い状態からは改善したが、まだ黒字化するほどではない」

という段階と考えられます。

経済統計では方向性の改善と水準の改善は必ずしも一致しません。9月は方向性こそ良くなったものの、水準としてはなお赤字圏にあることが重視されたのでしょう。

⑦まとめ

令和8年8月から9月にかけての貿易・サービス収支を比較すると、政府の総合評価は「おおむね均衡」から「赤字」へ変化しました。しかし内容を詳しく見ると、貿易収支では輸出の増加によって赤字幅が縮小し、サービス収支でも赤字幅が小さくなるなど、実態としては改善の動きが確認できます。

特に輸出の回復は、日本経済にとって明るい材料です。一方で、貿易収支・サービス収支ともに依然として赤字であることから、政府は慎重な表現を採用したと考えられます。

今後は、世界経済の動向や為替相場、インバウンド需要の回復状況などが、貿易・サービス収支の改善が続くかどうかを左右する重要なポイントとなるでしょう。

貿易・サービス収支

4.生産

(1)令和8年8月と令和8年9月の比較

令和8年(2026年)8月と令和8年(2026年)9月の詳細を、以下記載します。

令和8年8月令和8年9月
鉱工業生産は、横ばいとなっている。


鉱工業生産指数は、6月は前月比1.9% 増となった。

鉱工業在庫指数は、6 月は前月比2.8%増となった。

また、製造工業生産予測調査によると7月は同
1.2%増、8月は同4.5%増となることが見込まれている。

業種別にみると、輸送機械は持ち直しの動きがみられる。

生産用機械はこのところ持ち直しの動きがみられる。

電子部品・デバイスはこのところ持ち直しに足踏みがみられる。

生産の先行きについては、中東情勢や令和8年熊本地震による下押しリスクに留意する必要がある。

また、第3次産業活動は、緩やかに増加している。
鉱工業生産は、総じてみれば持ち直しの動きがみられる。

鉱工業生産指数は、7月は前月比0.2%減となった。

鉱工業在庫指数は、7月は前月比0.5%増となった。

また、製造工業生産予測調査によると8月は同6.4%増、9月は同 4.2%減となることが見込まれている。

業種別にみると、輸送機械は持ち直しの動きがみられる。

生産用機械はこのところ持ち直している。


電子部品・デバイスはこのところ持ち直しに足踏みがみられる。

生産の先行きについては、持ち直していくことが期待されるが、中東情勢や令和8年熊本地震による下押しリスクに留意する必要がある。

また、第3次産業活動は、緩やかに増加している。
令和8年8月・令和8年9月の生産を比較:鉱工業生産は横ばいから持ち直し局面へ移行しつつある

(2)解説

  • 生産判断は「横ばい」から「持ち直し」へ改善
  • 生産指数は7月に小幅減少
  • 生産予測は8月の大幅増加を見込む
  • 輸送機械・生産用機械が回復を牽引
  • 電子部品は足踏み状態が継続
  • 熊本地震や中東情勢には引き続き注意

①「横ばい」から「持ち直し」へ評価が改善

令和8年8月と9月の月例経済報告を比較すると、生産に対する政府の見方は一段階前向きなものへ変化しました。

月政府の判断
8月鉱工業生産は横ばいとなっている
9月鉱工業生産は総じてみれば持ち直しの動きがみられる

8月までは「横ばい」と評価されていましたが、9月には「持ち直しの動き」が明記されました。

これは日本の製造業が停滞局面から徐々に回復局面へ移行しつつあると政府が判断したことを示しています。

②足元の生産指数はやや弱含み

まず、生産指数の動きを見てみましょう。

生産指数の推移

指標8月報告9月報告
鉱工業生産指数6月 +1.9%7月 ▲0.2%
鉱工業在庫指数6月 +2.8%7月 +0.5%

一見すると、9月報告では生産指数が前月比マイナスとなっており、状況が悪化したように見えます。

しかし、政府は全体の基調判断を引き上げています。

その理由は、生産指数の単月の動きよりも、今後の見通しや業種別の回復傾向を重視しているためです。

在庫指数も増加しているものの、6月ほど急増しておらず、生産と需要のバランスは徐々に改善していると考えられます。

③生産予測は大幅増産を示唆

今回の報告で特に注目したいのが、生産予測調査です。

製造工業生産予測調査

予測月8月報告9月報告
翌月7月 +1.2%8月 +6.4%
翌々月8月 +4.5%9月 ▲4.2%

9月報告では、8月の生産が前月比6.4%増と大幅に増加する見込みとなっています。

その一方で、9月は4.2%減と予測されています。

つまり、

  • 8月に大きく生産を増やす
  • 9月にその反動で調整する

という見通しになっています。

このような動きは製造業では珍しくなく、生産計画の前倒しや一時的な需要増によって発生することがあります。

④業種別では回復に温度差

業種別の動向を見ると、回復している分野と停滞している分野がはっきり分かれています。

好調な分野

輸送機械

8月・9月ともに

  • 「持ち直しの動きがみられる」

と評価されています。

自動車生産の正常化や部品供給の改善が背景にあると考えられます。

生産用機械

8月は

  • 「持ち直しの動きがみられる」

9月は

  • 「持ち直している」

へと表現が改善しています。

企業による設備投資需要が底堅いことがうかがえます。

停滞している分野

電子部品・デバイス

8月、9月ともに

  • 「持ち直しに足踏みがみられる」

とされています。

半導体や電子部品関連では世界的な需要の回復がまだ十分ではなく、業界全体として慎重な状況が続いているようです。

⑤生産の先行きは明るさが増す

先行きの評価も変化しています。

8月報告

中東情勢や令和8年熊本地震による下押しリスクに留意する必要がある

9月報告

持ち直していくことが期待されるが、中東情勢や令和8年熊本地震による下押しリスクに留意する必要がある

9月には新たに、

「持ち直していくことが期待される」

という前向きな文言が追加されました。

政府は日本の生産活動について、リスクを抱えながらも回復基調にあるとの見方を強めているといえるでしょう。

⑥第3次産業も堅調

製造業以外のサービス産業については、

  • 8月:「緩やかに増加している」
  • 9月:「緩やかに増加している」

と評価に変化はありません。

宿泊業、飲食業、情報サービス業などを含む第3次産業は安定して拡大を続けており、日本経済を支える重要な存在となっています。

⑦まとめ

令和8年9月の月例経済報告では、鉱工業生産の評価が「横ばい」から「総じてみれば持ち直しの動きがみられる」へと引き上げられました。足元の生産指数はわずかに減少したものの、生産予測では8月に大幅な増産が見込まれており、輸送機械や生産用機械を中心に回復の動きが確認されています。

一方で、電子部品・デバイス分野は依然として足踏み状態にあり、中東情勢や熊本地震による影響など不確実性も残っています。しかし政府は先行きについて「持ち直していくことが期待される」と評価しており、日本の製造業は停滞局面を脱し、緩やかな回復局面へ入りつつあるとみられます。今後は設備投資や世界経済の動向が、この回復の持続性を左右する重要なポイントになりそうです。

生産

5.先行きについて

先行きについては、以下のとおりです。

令和8年8月令和8年9月
先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある。

また、金融資本市場の変動の影響などに注意する必要がある。
先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢や自然災害の影響を注視する必要がある。

また、金融資本市場の変動の影響などに注意する必要がある。
令和8年8月・令和8年9月の先行きの比較:内容に変化はなし

8月と9月で、同内容になっており、記載に変更はありません。

6.まとめ

令和8年9月の月例経済報告を見ると、日本経済全体の基調判断は前月から変更されず、景気は緩やかな回復基調を維持していることが確認されました。その一方で、公共投資、貿易・サービス収支、生産の3項目では評価や表現に変化が見られました。

公共投資については、「堅調」から「底堅い」へと表現が変更されました。公共工事受注額や請負金額には弱さが見られるものの、国や地方の予算による支援は継続しており、全体としては安定した推移が期待されています。

貿易・サービス収支については、「おおむね均衡」から「赤字」との表現に変更されました。ただし内容を見ると、輸出の回復によって貿易収支の赤字幅は縮小しており、サービス収支も改善方向に向かっています。依然として赤字ではありますが、悪化一辺倒ではなく改善の兆しも確認できます。

また、生産については「横ばい」から「総じてみれば持ち直しの動きがみられる」へと評価が引き上げられました。輸送機械や生産用機械を中心に回復傾向が見られ、生産予測も強めの内容となっています。

総じてみると、令和8年9月の月例経済報告は、日本経済が回復基調を維持しながらも、一部では強弱が入り混じる状況を示した内容といえます。今後も中東情勢や自然災害、金融市場の動向などに注意しつつ、輸出や生産の回復が持続するかが重要な注目点となるでしょう。

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