月例経済報告 令和8年(2026年)5月 物価は本当に上がっている?

月例経済報告 令和8年(2026年)5月 物価は本当に上がっている?

消費者物価は「上がっている」と言われますが、その実態は月ごとに少しずつ変化しています。

本記事では、令和8年4月と5月の月例経済報告を比較しながら、物価動向をやさしく読み解きます。
4月は基調として上昇しつつも、コア物価に弱さが見られたのに対し、5月はその弱さが改善し、より安定的なインフレ構造へと変化している点が特徴です。
また、家計の物価見通しの変化にも注目することで、「実際の物価」と「感じている物価」の違いも浮き彫りになります。

数字の違いだけでなく、その背景や意味を理解することで、今後の物価の行方をより立体的に把握していきましょう。

この記事を読んで分かること

  • 4月と5月の物価の違い
  • ・コア物価の変化
  • ・物価の上昇ペースの違い
  • ・家計のインフレ期待の動き
  • ・物価上昇の中身の変化
  • ・今後の物価の見通し
解説

1.令和8年5月分について

令和8年5月と比較のために、令和8年4月を以下掲載します。

令和8年4月令和8年5月
基調判断景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある
個人消費持ち直しの動きがみられる。ただし、消費者マインドがこのところ弱い動きとなっていることに注意が必要である。持ち直しの動きがみられる。ただし、消費者マインドがこのところ弱い動きとなっていることに注意が必要である。
設備投資持ち直している持ち直している
住宅建設弱含んでいる弱含んでいる
公共投資堅調に推移している堅調に推移している
輸出おおむね横ばいとなっているおおむね横ばいとなっている
輸入おおむね横ばいとなっているおおむね横ばいとなっている
貿易・サービス収支おおむね均衡しているおおむね均衡している
生産横ばいとなっている横ばいとなっている
企業収益米国の通商政策の影響が残るものの、改善の動きがみられる改善の動きがみられるが、中東情勢の影響を注視する必要がある
業況判断おおむね横ばいとなっている。ただし、先行きについてはやや慎重な見方となっており、中東情勢の影響を注視する必要がある。おおむね横ばいとなっている。ただし、先行きについてはやや慎重な見方となっており、中東情勢の影響を注視する必要がある。
倒産件数増加がみられる増加がみられる
雇用情勢改善の動きがみられる改善の動きがみられる
国内企業物価緩やかに上昇しているこのところ上昇している
消費者物価このところ緩やかに上昇している緩やかに上昇している
月例経済報告 令和8年4月、令和8年5月の比較。
企業収益、国内企業物価、消費者物価の表記に変化がある。

今月、記述に変化が見られたのは、企業収益、国内企業物価、消費者物価の4項目です。
変化のあった項目数は、先月の4項目から3項目へと、1項目減りました。
以下、記述に変化のありました企業収益、国内企業物価と消費者物価について詳しくみていきます。

徹底解説

2.企業収益

(1)令和8年4月と令和8年5月の比較

令和8年(2026年)4月と令和8年(2026年)5月の詳細を、以下記載します。

令和8年4月令和8年5月
企業収益は、米国の通商政策の影響が残るものの、改善の動きがみられる。

「法人企業統計季報」( 10-12 月期調査)によると2025 年10-12 月期の経常利益は、前年比4.7%増、前期比1.6%増となった。

業種別にみると、製造業が前年比0.9%増、非製造業が同7.1%増となった。

規模別にみると、大・中堅企業が前年比6.4%増、中小企業が同0.7%減となった。

「日銀短観」(3月調査)によると、2026 年度の売上高は、上期は前年比1.7%増、下期は同0.9%増が見込まれている。

経常利益は、上期は前年比3.5%減、下期は同1.2%減が見込まれている。
企業収益は、改善の動きがみられるが、中東情勢の影響を注視する必要がある。





上場企業の2026 年1-3月期の決算をみると、
経常利益は前年比で製造業、非製造業ともに増益となった。



「日銀短観」(3月調査)によると、2026 年度の売上高は、上期は前年比1.7%増、下期は同0.9%増が見込まれている。

経常利益は、上期は前年比3.5%減、下期は同1.2%減が見込まれている。
令和8年4月・令和8年5月の企業収益を比較:外部リスクは米国から中東へ、収益は改善も先行き慎重

(2)解説

  • 4月は米国通商政策の影響が残存
  • 5月は中東情勢リスクへ焦点移行
  • 企業収益は両月とも改善基調
  • 製造・非製造とも増益傾向
  • 中小企業は弱さが継続
  • 先行きは減益見通しで慎重姿勢

① 全体評価:どちらも「改善」だがリスクの中身が変化

まず最も重要なポイントは、「企業収益は改善している」という評価自体は4月・5月で共通している点です。

  • 4月→ 米国の通商政策の影響を受けつつも改善
  • 5月→ 改善は続くが「中東情勢」への警戒が強調

これは、外部リスクの焦点が変化したことを意味しています。

比較項目4月5月
基調改善の動き改善の動き
主なリスク米国通商政策中東情勢
ニュアンス回復しつつ影響残る回復しつつ警戒強化

「改善は維持しつつ、警戒対象が変わった」のが最大の違いです。

② 実績データからみる足元の収益状況

4月の記述は、具体的な統計データ(法人企業統計)に基づいています。

●2025年10-12月期(法人企業統計)

  • 経常利益:前年比 +4.7%
  • 前期比:+1.6%

さらに内訳をみると次の通りです。

●業種別

  • 製造業:+0.9%
  • 非製造業:+7.1%

非製造業が明確に牽引

●規模別

  • 大・中堅企業:+6.4%
  • 中小企業:▲0.7%

企業規模で明暗が分かれている点が重要

③ 5月の特徴:決算ベースでも「増益確認」

5月では新たに、

  • 上場企業(2026年1-3月期)
    → 製造業・非製造業ともに増益

とされ、直近決算でも改善が裏付けられた点が特徴です。

つまり、

  • 4月:統計ベースで改善確認
  • 5月:企業決算でも改善確認

改善の「裏付け」が強まった月といえます。

④ ただし重要:先行きは減益見通し

両月共通で示されているのが、日銀短観の見通しです。

●2026年度見通し(短観)

  • 売上高: 上期 +1.7%、下期 +0.9%
  • 経常利益: 上期 ▲3.5%、下期 ▲1.2%

売上は増えるが、利益は減る見込み

⑤ なぜ「増収減益」になるのか(やさしく解説)

ここは読者が最も疑問に感じるポイントです。

考え方はシンプルです。

■増加要因

  • 原材料費の上昇(特にエネルギー)
  • 輸入物価の上昇
  • 人件費の増加
  • 価格転嫁の遅れ

特に5月は、

中東情勢 → 原油価格上昇 → コスト増

という流れが強く意識されています。

⑥ まとめ:読み解きのポイント

最後に、4月と5月の違いを整理すると次の通りです。

■時系列での変化

  • 4月: 米国通商政策の影響が残る中で回復
  • 5月: 中東リスクが前面に出て警戒強化

■企業収益の本質

  • 足元:改善している(統計・決算とも)
  • 構造:大企業中心の回復
  • 先行き:コスト増で減益見込み

まとめ

企業収益は一見すると好調ですが、「回復の質」と「将来のリスク」を同時に見ることが重要です。

  • 今は利益が出ている
  • しかしコストが上がっている
  • だから将来は楽観できない

この「時間差のズレ」が、今回の最大のポイントです。

企業収益

3.国内企業物価

(1)令和8年4月と令和8年5月の比較

令和8年(2026年)4月と令和8年(2026年)5月の詳細になります。

令和8年4月令和8年5月
国内企業物価は、緩やかに上昇している。

3月の国内企業物価は、前月比0.8%上昇した。

輸入物価(円ベース)は、このところ上昇している。

企業向けサービス価格の基調を「国際運輸を除くベース」でみると、緩やかに上昇している。
国内企業物価は、このところ上昇している。

4月の国内企業物価は、前月比2.3%上昇した。

輸入物価(円ベース)は、このところ上昇している。

企業向けサービス価格の基調を「国際運輸を除くベース」でみると、緩やかに上昇している。
令和8年4月・令和8年5月の国内企業物価を比較:企業物価は上昇継続も、伸びはやや鈍化

(2)解説

  • 4月は企業物価が大きく上昇
  • 5月は上昇は続くが伸び鈍化
  • 輸入物価は両月とも上昇
  • サービス価格は安定的に上昇
  • 価格上昇圧力は依然継続
  • 物価の勢いに変化の兆し

① 結論:上昇は続くが「勢い」が変化

まず全体像を押さえると、両月ともに国内企業物価は上昇していますが、重要な違いは上昇の「勢い」です。

項目4月5月
表現このところ上昇緩やかに上昇
前月比+2.3%+0.8%
印象上昇圧力が強い上昇は継続も落ち着き気味

4月は強い上昇、5月は落ち着き気味という構図です。

② 4月:価格上昇圧力が強い状態

4月の特徴は、はっきり言って「勢いのある物価上昇」です。

■ポイント

  • 前月比 +2.3%と大きな伸び
  • 表現も「このところ上昇」
  • 輸入物価も上昇が継続

■読み解き

  • 原材料価格やエネルギー価格の上昇が企業間取引に波及
  • 特に輸入コストの影響が大きい

■イメージ

  • 「企業が仕入れる価格が一気に上がっている状態」

③ 5月:上昇は続くがスピードが低下

一方で5月は、同じ「上昇」でも明らかにニュアンスが変わります。

■ポイント

  • 前月比 +0.8%と伸びが縮小
  • 表現が「緩やかに上昇」に変更
  • 輸入物価の上昇は継続

■読み解き

  • 上昇トレンドは続いている
  • ただし急激な上昇局面は一服

「上がってはいるが、落ち着き始めた」状態

④ 共通点:輸入物価とサービス価格の動き

両月に共通する重要なポイントもあります。

■輸入物価(円ベース)

  • 両月とも「このところ上昇している」

日本は資源輸入国のため、 海外要因が国内価格に直結します。

■ 企業向けサービス価格

  • 両月とも「緩やかに上昇」

■対象(例)

  • 物流
  • ITサービス
  • 人材関連コスト

これは、

  • 人手不足
  • 賃上げの影響

など、国内要因によるコスト上昇を反映

⑤ 物価構造を整理(図解イメージ)

企業物価の動きを整理すると、次のようになります。

【上昇要因】
① 輸入物価(海外要因)
   → 原油・原材料価格・為替

② サービス価格(国内要因)
   → 人件費・物流費

【結果】
企業物価が押し上げられる

4月は①の影響が強く、5月は①がやや落ち着いた、と読み取れます。

■⑥ 実務的に重要なポイント(読者目線)

この企業物価の動きは、単なる統計ではなく、次のような影響があります。

■企業への影響

  • コスト増 → 利益圧迫
  • 価格転嫁できるかが重要

■消費者への影響

  • 時間差で物価上昇(食品・日用品など)

特に重要なのは

  • 企業物価は「消費者物価の先行指標」

という点です。

⑦ 今回の変化をどう読むか

今回の4月→5月の変化をまとめると以下の通りです。

■流れ

  • 4月: 急上昇(コスト急増局面)
  • 5月: 上昇継続(ただし落ち着き)

■本質

  • 価格上昇圧力はまだ消えていない
  • ただしピークアウトの兆しが見え始めた

まとめ

企業物価はまだ上昇していますが、「急上昇から緩やかな上昇へ」転換し始めた局面です。

これは今後の

  • 企業収益
  • 消費者物価

を読むうえで、非常に重要な変化といえます。

国内企業物価

4.消費者物価

(1)令和8年4月と令和8年5月の比較

令和8年(2026年)4月と令和8年(2026年)5月の詳細になります。

令和8年4月令和8年5月
消費者物価の基調を「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」でみると、このところ緩やかに上昇している。

2月は、前月比では連鎖基準、固定基準ともに0.1%上昇した。

前年比では連鎖基準で2.4%上昇し、固定基準で2.5%上昇した。

「生鮮食品を除く総合」(いわゆる「コア」)は、このところ横ばいとなっている。

2月は、前月比では連鎖基準で0.4%下落し、固定基準で0.3%下落した。

なお、2月の「総合」は、前月比では連鎖基準、固定基準ともに0.2%下落した。

物価の上昇を予想する世帯の割合を「消費動向調査」(二人以上の世帯)でみると、3月は、1年後の予想物価上昇率別に、2%未満が7.7%(前月14.2%)、2%以上から5%未満が32.0%(前月34.9%)、5%以上から10%未満が32.0%(前月22.2%)、10%以上が21.4%(前月14.3%)となった。

先行きについては、消費者物価(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)は、当面、緩やかに上昇していくことが見込まれる。
消費者物価の基調を「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」でみると、緩やかに上昇している。


4月は、前月比では連鎖基準で0.3%下落し、固定基準で0.2%下落した。

前年比では連鎖基準で1.8%上昇し、固定基準で1.9%上昇した。

「生鮮食品を除く総合」(いわゆる「コア」)は、このところ緩やかに上昇している。

4月は、前月比では連鎖基準、固定基準ともに0.0%となった。

なお、4月の「総合」は、前月比では連鎖基準で0.0%となり、固定基準で0.1%上昇した。

物価の上昇を予想する世帯の割合を「消費動向調査」(二人以上の世帯)でみると、4月は、1年後の予想物価上昇率別に、2%未満が6.7%(前月7.7%)、2%以上から5%未満が28.8%(前月32.0%)、5%以上から10%未満が32.3%(前月32.0%)、10%以上が25.8%(前月21.4%)となった。

先行きについては、消費者物価(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)は、当面、緩やかに上昇していくことが見込まれる。
令和8年4月・令和8年5月の消費者物価を比較:物価は上昇継続、コア改善も勢いやや鈍化

(2)解説

  • 基調は両月とも緩やかな上昇
  • 4月はインフレ感やや強い
  • 5月は上昇ペースがやや鈍化
  • コア物価は横ばい→上昇へ変化
  • 家計のインフレ期待は高水準維持
  • 先行きも緩やかな上昇見込み

①全体像:上昇基調は不変、ただし「質」が変化

まず結論から言うと、4月・5月ともに消費者物価は緩やかな上昇基調にあります。

ただし、重要なのは「上昇の中身」が変化している点です。

観点4月5月
基調このところ緩やかに上昇緩やかに上昇
物価の勢いやや強いやや落ち着き
特徴コア弱いコア改善

物価は上がり続けているが、構造が変わっているのがポイントです。

② 4月:基調は上昇だが「中身に弱さ」

まず4月は、基調としては上昇しているものの、一部に弱さが見られます。

■基調(コアコア)

  • 「生鮮・エネルギー除く総合」
    → 緩やかに上昇
  • 前月比:+0.1%
  • 前年比:約+2.4〜2.5%

ベース部分は堅調に上昇

■一方で注意点(コア)

  • 生鮮除く総合(いわゆるコア)
    → 横ばい
  • 前月比:▲0.3〜▲0.4%

エネルギー等の影響を除くと弱さがある

■総合指数

  • 前月比:▲0.2%

一時的に物価が下落

■まとめ(4月)

  • 基調は上昇
  • ただし一部に弱さ
  • 「見た目ほど強くないインフレ」

③ 5月:コアが回復、安定的なインフレへ

次に5月は、4月よりも安定した構造に変化します。

■基調(コアコア)

  • 緩やかに上昇
  • 前年比:+1.8〜1.9%

物価上昇は継続(ただし前年比はやや低下)

■大きな変化(コア)

  • 横ばい → 緩やかに上昇へ改善
  • 前月比:0.0%(下げ止まり)

基調物価の底固さが確認された

■総合指数

  • 前月比:0.0%〜+0.1%

下落から安定へ

■まとめ(5月)

  • 物価は引き続き上昇
  • コアが改善し「質」が向上
  • 安定的なインフレに移行

④家計のインフレ期待:むしろ強まる

注目すべきは「人々の感じ方(期待インフレ)」です。

■比較(1年後の物価予想)

区分4月(3月調査)5月(4月調査)
2%未満7.7%6.7%
2~5%32.0%28.8%
5~10%32.0%32.3%
10%以上21.4%25.8%

■読み解き

  • 低インフレ予想は減少
  • 高インフレ予想(10%以上)は増加

人々は「物価はかなり上がる」と感じている

⑤ ポイント整理:何が起きているか

今回の変化をシンプルに整理すると、以下の通りです。

■4月の状態

  • エネルギー等の影響が大きい
  • コアに弱さ
  • 一時的な下落もあり不安定

■5月の状態

  • コアが改善
  • 物価が均等に上昇
  • 安定したインフレ構造へ

⑥ なぜこうなるのか(やさしく解説)

この変化の背景は大きく2つです。

■エネルギー要因の一巡

  • 原油、電気、ガスの影響が徐々に落ち着く

■ 内需型インフレの進行

  • 賃上げ
  • サービス価格上昇
  • 価格転嫁の進展

外部要因 → 内需要因へシフト

⑦ 実務的な意味(読者向け)

この変化は実生活にも直結します。

■企業側

  • 値上げが定着しやすい環境
  • 利益確保がしやすくなる

■家計側

  • 生活必需品の値上げが持続
  • 実質所得の目減りリスク

⑧ まとめ:重要な読み方

今回の4月→5月の変化は、単なる数値の変化ではありません。

■重要なポイント

  • 物価は引き続き上昇
  • コアの弱さが改善
  • インフレの「質」が変化
消費者物価

2.先行きについて

先行きについては、以下のとおりです。

令和8年3月令和8年5月
先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢の影響を注視する必要がある。

また、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向などに注意する必要がある。
先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢の影響を注視する必要がある。

また、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向などに注意する必要がある。
先行きの比較:令和8年4月は令和8年5月と同内容

令和8年5月の記載は、前月令和8年4月と同内容になっており、記載に変化はありません。

3.まとめ

令和8年4月と5月の消費者物価を比較すると、どちらも「緩やかな上昇」という大きな流れは共通しています。

しかし、注目すべきはその中身の変化です。4月は物価の基調は上昇していたものの、コア物価(生鮮食品除く総合)は横ばいであり、一時的な下落も見られるなど、やや不安定な側面がありました。
つまり、エネルギーなど一部要因に支えられた上昇という色合いが強かったといえます。
一方の5月では、コア物価が緩やかに上昇へと転じ、物価の動きがより全体的な広がりを伴う形に変化しています。
これは、物価上昇が特定要因から徐々に広がり、安定的なインフレ構造へ移行しつつあることを示しています。

さらに、家計のインフレ期待を見ると、高い物価上昇を予想する割合が増えており、人々の体感としては物価上昇が強く意識されていることも分かります。これは今後の消費行動にも影響を及ぼす重要なポイントです。
総じて、足元の物価は「一時的な上昇」から「持続的な上昇」へと性質を変えつつあります。

今後は、賃上げやサービス価格の上昇といった国内要因によって、この流れがどこまで続くかが焦点となるでしょう。

6月の月例経済報告が公表されましたら、再度、解説致します。

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