立石駅北口再開発について、地価の動向も踏まえて解説します。

立石駅北口再開発について、地価の動向も踏まえて解説します。

立石駅(京成立石駅)をご存じでしょうか。

東京にお住いの方でも、城東エリア以外にお住まいの方は、ご存じない方も多いかもしれません。
私も、城東エリアに長く住んでおり、立石駅からそれほど遠くはないところに住んでいるのですが、立石駅の再開発を最近知るまで、訪れたことはありませんでした。

あまり立石に馴染みのない方に、立石及び立石駅の再開発、その地価動向について、知っていただきたいと思います。

1.立石駅北口再開発

立石駅は、正確には、京成立石駅で、その名のとおり、京成線の駅です。葛飾区になります。東京駅からだと、乗り換えが必要になりますが、30分程度で到着します。
京成立石駅は、2022年度の1日平均乗降人員は、32,060人となっています。

タイトルに記載させていただきましたが、京成立石駅では、現在再開発が進行中です。立石駅北口地区第一種市街地再開発事業が正式名称です。

簡単に、経緯を説明しますと、平成8年度に立石駅北口地区再開発研究会が発足、平成19年度に立石駅北口地区市街地再開発準備組合の設立、平成29年(2017年)6月に都市計画決定されました。

都市計画決定は、不動産に馴染みのない方には、少し難しいかもしれません。
嚙み砕いて説明させていただくと、建築などの制限を受ける、ということになります。
今後、再開発事業を行っていきますので、事業地内に、許可なく建物を建てられると、事業に支障が生じるからです。

この間に、京成電鉄押上線(四ツ木駅~青砥駅間)連続立体交差事業の都市計画決定、事業決定もなされています。
今度は、事業決定です。計画決定では、字面のとおり、再開発をしようという計画が決まっただけですが、事業決定(事業認可)は、実際に事業をすることが決まったということになります。
ですので、工事が始まります。

再開発研究会の発足が、平成8年(1996年)からですから、約27年経過していることになります。

下図の水色で囲まれたエリアが再開発のエリアとなります。

葛飾区役所のホームページ

南口でも、再開発の構想があり、西地区は、令和5年7月に都市計画決定されています。
こちらについても、今後、動向等が分かり次第、解説していきます。

北口再開発の計画は、次のとおりです。

西街区 東街区
敷地面積 約7,130平方メートル 約4,660平方メートル
建築面積 約4,900平方メートル 約3,230平方メートル
延べ面積 約84,580平方メートル 約41,750平方メートル
容積対象床面積
(容積率)
約56,970平方メートル
(約800%)
約32,610平方メートル
(約700%)
主要用途 住宅、店舗、
駐車場、駐輪場
事務所、店舗、公益、
駐車場、駐輪場
住宅戸数 710戸
構造・規模 地上36階・地下2 階

高さ約125m

鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造

地上13階・地下3階

高さ約75m

鉄筋コンクリート造

葛飾区役所のホームページ

下図の左側の高層建物(タワーマンション)を含めて、その左側(西側)が西街区、その反対側が東街区になります。

葛飾区役所のホームページ

 

ここまで敢えて話題にしてきませんでしたが、立石駅と云えば、「せんべろ」で有名ですね。

「呑んべ横丁」の看板はすでに取り外されています。

2023年9月2日、初訪問してきました。
魅力的な飲み屋街(訪問時には、北口は、ほぼ退去済みでしたが)です。吞兵衛の方には、一度訪問していただく価値はあると思います。

このような地域の特徴から、再開発に反対な人たちも多いようです。
狭い路地に木造建物が建ち並ぶ危険性、立石駅の高架化事業もあり、再開発の必要性がある一方で、昔ながらの街並みが失われるという寂しさもあります。

2023年9月から、既存建物の解体工事が始まっていまして、2024年6月に着工予定となっています。

近い内に再訪して、現在の状況を報告したいと考えています。

2.立石駅の地価動向

北口の再開発エリア内には、公示地、基準地はありません。路線価も敷設されていませんので、土地価格は少し分かりにくいですね。

下記は、令和5年路線価です。合成してあります。
駅近くに、基(基準)5-1とありますが、令和5年地価調査では選定替えされており、その南方にある公(公示)5-4と同一地点になっています。
以下、この基(基準)5-1は、旧基(基準)5-1と呼ぶことにします。

先に触れましたが、南口再開発エリアのすぐ南方の奥戸街道沿いに、公示地と基準地が同一の地点(公示5-4、基準5-1)があります。
ややこしいかもしれませんが、この基準5-1は、先に説明させていただいている旧基準5-1とは異なります。
上記路線価図は、令和5年7月に発表されたもので、令和5年1月1日時点となります。
ですので、7月1日時点である基準地については、まだ反映されておらず、上図では、公5-4の表記となっています。
令和6年7月に発表予定の、令和6年1月1日時点の路線価図では、公5-4、基5-1と標記されている筈です。

少し話が逸れますが、このように、公示地と基準地が同一である地点を代表標準地といいます。
公示地が1月1日時点、基準地が7月1日時点ですので、代表標準地は、半年毎の変動率が分かります。

直近の動向が分かる7月1日時点の基準地の価格を見てみます。直近の令和5年基準地の動向については、別ブログで解説していますので、よかったらご参照下さい。

令和5年7月1日時点の価格で、565,000円/㎡となっています。令和5年1月1日時点の価格が、551,000円/㎡ですので、半年で、2.5%の上昇となっています。
参考に、葛飾区商業地の平均変動率は、4.9%の上昇です。こちらは年率(令和4年7月1日~令和5年7月1日)です。
公示5-4・基準5-1は半年で2.5%ですので、年率換算すると5.0%で、葛飾区商業とほぼ同率となっています。

葛飾区商業と旧基準5-1の10年間の変動率の推移は、以下のとおりです。
旧基準5-1は、先に説明させていただきましたが、選定替えされていますので、変動率は令和4年までしかありません。

葛飾区商業とほぼ同様の推移を示していますが、令和元年において、葛飾区よりも大きな変動率(上昇率)となっています。
平成29年(2017年)6月に都市計画決定された影響でしょうか。

3.路線価図についての補足説明

少しだけ、路線価図について説明致します。

路線価図では、450Bとなってますが、これもご存じない方には、意味不明かもしれません。
450というのは、路線価で、路線価で示されている範囲の土地価格が1㎡当たり450,000円という意味です。1月1日時点の価格になります。
先の565,000円/㎡、551,000円/㎡と違うので、紛らわしいですね。
相続税路線価は、公示価格の80%になるように設定されています。
ですので、計算すると450,000円/㎡÷80%≒563,000円/㎡、となり、ほぼ公示価格の80%になっています。
また、Bというのは、借地権割合で、Bは借地権割合が80%ということを意味しています。

4.最後に

再開発の動向及び地価の動向について、今後もフォーローしていきます。
近い内に、再訪して、現在の状況をお伝え出来たらと思っております。

 

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