令和6年11月26日に発表された月例経済報告(令和6年11月)について、解説します。

令和6年11月26日に発表された月例経済報告(令和6年11月)について、解説します。

令和6年11月の月例経済報告について、解説します。

月例経済報告については、こちらで説明しておりますので、よければご参照下さい。

1.令和6年10月分について

主要な項目を、令和6年10月令和6年11月について、以下掲載します。

令和6年10月令和6年11月
基調判断一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している
個人消費一部に足踏みが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられる一部に足踏みが残るものの、持ち直しの動きがみられる
設備投資持ち直しの動きがみられる持ち直しの動きがみられる
住宅建設おおむね横ばいとなっているおおむね横ばいとなっている
企業収益総じてみれば改善している総じてみれば改善している
企業の業況判断改善している改善している
雇用情勢改善の動きがみられる改善の動きがみられる
消費者物価緩やかに上昇しているこのところ上昇している

今月は、先月・先々月とは異なり、少し表記が異なっていますが、大きな変更はない、という印象です。

概ね横ばい傾向で推移している、ということになるかと思います。

従いまして、横ばい傾向での推移となりますが、令和6年8月は回復基調が顕著でしたので、回復基調が継続している、ということになります。

変化のありました上記2項目について、以下検討していきます。

(1)個人消費

令和6年10月令和6年11月
一部に足踏みが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられる一部に足踏みが残るものの、持ち直しの動きがみられる
「四半期別GDP速報」(2024 年4-6月期2次速報)では、民間最終消費支出の実質値は前期比0.9%増となった。

また、「消費動向指数(CTI)」(8月)では、総消費動向指数(CTIマクロ)の実質値は前月比0.0%減となった。

個別の指標について、需要側の統計をみると、消費動向指数(CTI)」(8月)では、世帯消費動向指数(CTIミクロ、総世帯)の実質値は前月比0.1%増となった。

供給側の統計をみると、「商業動態統計」(8月)では、小売業販売額は前月比1.0%増となった。

消費動向の背景をみると、実質総雇用者所得は、持ち直しの動きがみられる

また、消費者マインドは、改善に足踏みがみられる。

さらに、足下の状況について、ヒアリング結果等を踏まえると、新車販売台数は、持ち直している。

家電販売は、このところ持ち直しの動きに足踏みがみられる。

旅行は、おおむね横ばいとなっている。

外食は、緩やかに増加している。

こうしたことを踏まえると、個人消費は、一部に足踏みが残るものの、このところ持ち直しの動きがみられる。

先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、持ち直していくことが期待される。

ただし、消費者マインドの動向に留意する必要がある。
「四半期別GDP速報」( 2024 年7-9月期1次速報)では、民間最終消費支出の実質値は前期比0.9%増となった。

また、「消費動向指数(CTI)」(9月)では、総消費動向指数(CTIマクロ)の実質値は前月比0.1%増となった。

個別の指標について、需要側の統計をみると、「消費動向指数(CTI)」(9月)では、世帯消費動向指数(CTIミクロ、総世帯)の実質値は前月比0.3%減となった。

供給側の統計をみると、「商業動態統計」(9月)では、小売業販売額は前月比2.2%減となった。

消費動向の背景をみると、実質総雇用者所得は、緩やかに持ち直している

また、消費者マインドは、改善に足踏みがみられる。

さらに、足下の状況について、ヒアリング結果等を踏まえると、新車販売台数は、持ち直している。

家電販売は、このところ持ち直しの動きに足踏みがみられる。

旅行は、おおむね横ばいとなっている。

外食は、緩やかに増加している。

こうしたことを踏まえると、個人消費は、一部に足踏みが残るものの、持ち直しの動きがみられる。

先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、持ち直していくことが期待される。

ただし、消費者マインドの動向に留意する必要がある。

令和6年(2024年)10月と11月の違いは、”このところ”の有無だけです。

”このところ”をどう解釈するかですが、”一時的”というような意味合いなのではないかと理解しています。

8月から10月にかけて、”このところ”があったのですが、11月ではなくなりました。

これまでは、一時的だったかもしれないが、11月にかけても持ち直していることから、一時的ではなく、継続的な状態になった、ということでしょうか。

そうであれば、これは経済面ではプラスとなります。

上記では、各指数の増減からは、動向を把握し難いですが、実質総雇用者所得は、”持ち直しの動きがみられる(10月)”から、”緩やかに持ち直している(11月)”となっていますので、改善していると言えるでしょう。

(2)消費者物価

次に、消費者物価です。

こちらも少し見ただけでは、判別し難いですね。

令和6年10月令和6年11月
緩やかに上昇しているこのところ上昇している
消費者物価の基調を「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」でみると、緩やかに上昇している。

9月は、前月比では連鎖基準で0.1%上昇し、固定基準で0.2%上昇した。

前年比では連鎖基準で1.9%上昇し、固定基準で2.1%上昇した。

「生鮮食品を除く総合」(いわゆる「コア」)は、緩やかに上昇している。

9月は、前月比では連鎖基準で0.4%下落し、固定基準で0.3%下落した。

物価の上昇を予想する世帯の割合を「消費動向調査」(二人以上の世帯)でみると、9月は、1年後の予想物価上昇率別に、2%未満が12.8%(前月14.5%)、2%以上から5%未満が33.7%(前月34.9%)、5%以上が46.6%(前月42.7%)となった。

先行きについては、消費者物価(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)は、当面、上昇していくことが見込まれる。
消費者物価の基調を「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」でみると、このところ上昇している。

10 月は、前月比では連鎖基準で0.3%上昇し、固定基準で0.4%上昇した。

前年比では連鎖基準で2.1%上昇し、固定基準で2.3%上昇した。

「生鮮食品を除く総合」(いわゆる「コア」)は、このところ上昇している。

10 月は、前月比では連鎖基準、固定基準ともに0.3%上昇した。

物価の上昇を予想する世帯の割合を「消費動向調査」(二人以上の世帯)でみると、10 月は、1年後の予想物価上昇率別に、2%未満が 11.5%(前月 12.8%)、2%以上から5%未満が 33.8%(前月33.7%)、5%以上が47.9%(前月46.6%)となった。

先行きについては、消費者物価(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)は、当面、上昇していくことが見込まれる。

令和6年(2024年)10月は”緩やかに上昇している”で、11月は、”このところ上昇している”です。

これは、緩やかな上昇だったのが、一時的かもしれないが、より強い上昇になった、ということでしょう。

各種指数を見ても、上昇傾向が顕著です。

2.先行きについて

先行きについては、以下のとおりです。

令和6年10月令和6年11月
先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。

ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。

また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。
先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。

ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。

また、物価上昇、アメリカの今後の政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。

”アメリカの今後の政策動向”が加わっています。

11月5日に、アメリカ大統領選挙が行われ、トランプ大統領が当選しましたので、その影響でしょう。

指摘のとおり、アメリカの今後については、注目が必要です。

3.まとめ

消費者物価の上昇には注意が必要ですが、回復基調は継続していることが分かりました。

令和6年12月分が発表されましたら、また、解説致します。

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