令和7年3月19日に発表された月例経済報告(令和7年3月)について、解説します。

令和7年3月19日に発表された月例経済報告(令和7年3月)について、解説します。

令和7年3月の月例経済報告について、解説します。

月例経済報告については、こちらで説明しておりますので、よければご参照下さい。

1.令和7年3月分について

(1)主要な項目

主要な項目を、令和7年2月、令和7年3月について、以下掲載します。

令和7年2月令和7年3月
基調判断一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している一部に足踏みが残るものの、緩やかに回復している
個人消費一部に足踏みが残るものの、持ち直しの動きがみられる一部に足踏みが残るものの、持ち直しの動きがみられる
設備投資持ち直しの動きがみられる持ち直しの動きがみられる
住宅建設おおむね横ばいとなっているおおむね横ばいとなっている
企業収益総じてみれば改善しているが、そのテンポは緩やかになっている改善している
企業の業況判断改善している改善している
雇用情勢改善の動きがみられる改善の動きがみられる
消費者物価上昇している上昇している

企業収益に変化がありました。

以下、企業収益ついて詳しくみていきます。

(2)企業収益

令和7年(2025年)2月と3月の詳細を、以下記載します。

令和7年2月令和7年3月
総じてみれば改善しているが、そのテンポは緩やかになっている改善している
企業収益は、総じてみれば改善しているが、そのテンポは緩やかになっている。

上場企業の2024 年10-12 月期の決算をみると、
経常利益は、製造業、非製造業ともに前年比で増益となった。








「日銀短観」(12 月調査)によると、2024 年度の売上高は、上期は前年比3.4%増、下期は同2.2%増が見込まれている。

経常利益は、上期は前年比0.2%増、下期は同6.7%減が見込まれている。
企業収益は、改善している。


「法人企業統計季報」(10- 12 月期調査)によると2024 年10- 12 月期の経常利益は、前年比13.5%増、前期比12.1%増となった。

業種別にみると、製造業が前年比26.7% 増、非製造業が同6.4% 増となった。規模別にみると、大・中堅企業が前年比8.4%増、中小企業が同32.3%増となった。


「日銀短観」(12 月調査)によると、2024 年度の売上高は、上期は前年比3.4%増、下期は同2.2%増が見込まれている。

経常利益は、上期は前年比0.2%増、下期は同6.7%減が見込まれている。

令和7年(2025年)2月では、「総じてみれば改善しているが、そのテンポは緩やかになっている」となっていましたが、3月では、「改善している」と明確に記載されるようになりました。

2月と3月とで異なるのは、緑のマーカーを引いた部分になります。

2月は具体の数値が記載されていない一方で、3月は記載されています。

ですので、推測になりますが、3月において判明した数値が良い結果であったということになるのかと考えます。

これについて、詳しく見ていきます。

3月において、「法人企業統計季報」が記載されています。

法人企業統計季報は、財務省のシンクタンクである財務総合政策研究所が行っている調査です。

「年次別調査」は9月に、「四半期別調査」は、3月、6月、9月、12月に発表されます。

上記で記載のある2024年10~12月期調査は、3月に発表されたものになります。

実際の資料をみますと、3月4日に発表されています。

従いまして、四半期別調査は、四半期毎ですので、2月時点では、発表されていませんので、記載がないのは仕方ありません。

2024年10~12月調査では、前期比12.1%増となっているのに対し、2024年7~9月期調査では、前期比10.2%減となっていましたので、改善という判断になるのだろうと思われます。

他は、前月と全く同じ表記となっています。

参考までに、日銀短観も、四半期調査になりますので、毎月のデータはありませんので、前月と同じになってしまうのは、仕方のないところであります。

2.先行きについて

先行きについては、以下のとおりです。

令和7年2月令和7年3月
先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。

ただし、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている。

また、物価上昇、通商政策などアメリカの政策動向、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。
先行きについては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待される。

ただし、物価上昇の継続が消費者マインドの下振れ等を通じて個人消費に及ぼす影響や、通商政策などアメリカの政策動向による影響などが、我が国の景気を下押しするリスクとなっている。

また、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。

書き振りが随分と変わっていますが、内容としては、あまり変わらない印象です。

2月では、欧米の金利水準、中国の不動産市場の記載がありましたが、3月にはなく、代わりに物価上昇の記述となっています。

中東の記述も3月ではなくなっています。

アメリカの政策動向は、記載場所は異なっていますが、今月も記載されております。

3.まとめ

アメリカの通商政策(トランプ関税)が発動されましたが、その翌日には延期となるなど、先行きの見通しが困難となっています。

これと合わせて、株式市場は乱高下しています。

令和7年4月分につきましても、近く、解説したいと思います。

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